『毎日お得に乾杯したい』を合言葉に月額980円でお酒のドリンクサービスを展開してきた、nommoca(運営会社:株式会社TRIBE)。残念なことに、2020年4月30日をもってサービス提供を終了するとのことです。
サービス概要URL:https://nomocca.net/
上記のWebサイトと同様、iOSやAndroidアプリを起動させてみると、以下のような画面が表示されます。

数年前からサブスクリプション型サービスが増え、関心のあったサービスの一つでした。nomoccaは、低価格の料金設定(月額980円のみ)、アプリインストール後、簡単に乾杯できる、毎日乾杯できる(1日1回無料で利用できるサービス)、といったユーザーにメリットの大きいサービスでしたので、利用する人も急増するのでは、と考えていました。
サービス提供を終了した原因ですが、インターネットで検索してみたのですが、具体的な話は書かれていませんでした。ここからはわたしの私見になりますが、いくつかサービス撤退になった原因について触れていきたいと思います。
1.価格設定
2.加盟店の反応
3.機能的な問題
まずは、1)価格設定です。月額980円(税抜)ですので、仮にユーザーの方が週に2回レストランを訪問し、毎回生ビール(原価は200-300円)を注文しただけでも損益分岐点を大きく下回ってしまいます。もちろん、レストラン側からもサブスクリプション型の手数料をもらっているので、そちらの収入もあると思うのですが、nomoccaのビジネスモデルを考えると、そこまで多額のフィーを請求できていなかったと考えられます。(ある程度料金設定が魅力的でないとnomoccaのビジネスに加盟しないからです。)
次に2)加盟店の反応です。App storeやGoogle playのレビューなどを見ていると、ユーザーの評価は非常に高いように見受けられます。しかし、nomoccaの加盟店は東京都内に閉じていて関西などには展開ができていません。アプリを利用したサブスクリプション型ビジネスですので、新規開拓が上手くいかなかったのは、法人営業が弱かったか、加盟店(候補)側の反応が悪く、想定以上に規模が拡大できなかったか、のどちらかだと考えられます。
最後に3)機能的な問題です。こちらもApp storeやGoogle playのレビューから抜粋した話になりますが、ユーザーの反応を見ていると「退会機能がない」、「無料期間後、いきなり課金された」などのコメントが目立っていました。恐らくnomoccaのアプリは、自社開発ではなく、委託開発で作られたもので、資金的な都合で追加開発ができなかったのではないかと推察しています。
本日は2020年4月末にサービスが終了するnomoccaのビジネスについて、その原因を詳説してきました。ドリンクを対象としたサブスクリプション型サービスでしたので、すごく期待していたところもあり、残念な気持ちで一杯です。数年前からラーメンであったり、コーヒーであったり、色々とサブスクリプション型サービスが広がりつつあるので、今後もアルコールドリンクを対象としたサービスが出てきたら嬉しいなと思います。
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